Curvy Starminxの解法を自分なりに考えてみた話

どうも、暇人のキューブ日記(Twitter:@Pyraminx_tanoc)です。

 

(一応)スピードキューバー(のつもり)です。

キューバーと言っておきながらメイン競技はピラミンクスなんですけどね。

3×3から逃げた訳じゃないんだからね!

 

これが初めて書く記事ですが、話す内容はもちろんピラミンクス………ではなく、変態パズルの話となります。 

3度の飯より変態パズルが好きなパズルコレクター(自称)なので、コミュテーター片手に難解パズルと格闘する毎日です。

 

~Curvy Starminxってどんなパズル?~

写真右のパズルがCurvy Starminxです。

サイズ感が分かりやすいように、隣にGAN11Mpro(56mm)を置いてみました。

 

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StarminxⅡのカットを少しだけ浅くして、その分コーナーを付け加えたパズルとなっています。そのため、StarminxⅡより難易度は高いとされていますが毛が生えた程度だと思ってください。(人によっては「StarminxⅡで使った手順がCurvy Strminxでは使えなかった」というのもありえますが…)

今回紹介する手順はCurvy Starminx、StarminxⅡどちらでも使えるはずなので安心してください。

 

ディープカットのフェイスターンなので、言葉通り『ごっそり』回転します。1度の回転で動くパーツ数が多く(45個)、難易度は変態パズルの中でもかなり高い方に分類されますが、変形しないので今まで触ってきたパズルの知識が応用しやすく、変態パズルの経験量によって個人差が別れそうな気がします。

回し心地は、「パーツ数が多い割にはかなり完成度が高い方」といった感じです。

カサカサしていますが、DNMなどの潤滑剤を垂らしてなじませるだけでかなり良くなります。回転が重いパズルを買うたびにDNMを乱用しているので潤滑剤の消費スピードがハンパなかったり

 

~解法の流れ~

解法……の前に、解説のために回転記号を使うと思うので書いておきますね

上の写真の赤面をF面として、

上の白をU、右の青をR、左の緑をLとして扱います。

位置関係の説明に色を使っただけなので、色の向きがコロコロ変わるかもしれませんがご了承ください。

 

いきなり解説しても面白くないので、この記事を読んでる皆さんは是非一度挑戦してみてください。(←おい)

 

実際、ただ解法を書き連ねるだけだとこのパズルの良さが薄れる気がするので、私が攻略までに辿った道のりを紹介しながら読んでる皆さんも解いた気になれるような解説にしていきますね。

 

~いざ勝負!~

さすがにいきなりスクランブルはしません。

とりあえず観察してみましょう。

この手の難解パズルの解法として、

 

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①他のパズルに帰着させて考える

②そのパズル独自の解法を考える

③交換手順などを乱用してパーツ毎に位置を合わせていく

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などがあります。

 

①は4×4のセンターとエッジを揃えて3×3として解くのと同じです。

ただしパズルによってはパリティが発生することもある解き方なので注意しましょう。

あとはAxis CubeやMastermorphixなどを3×3と見立てて解くのもこれに分類されます。

 

②は回転制限があったり変形するパズルによく使われます。

回転制限系は他のパズルの知識・手順が通用しないのがほとんどなので、解法を1から考えなくてはならない場合があります。

もちろん、使えそうな既知の手順があるなら遠慮なく使いましょう。

 

③、これが変態パズルでは王道でしょう。

いわゆるコミュテーターを使うアレです。

 

 

今回使うのは…③ですね。

早速どこから攻めるか見てみましょう。

 

 

難解パズルをある程度やったことがある人なら感覚でわかると思いますが、今回すすめる順番としては

 

コーナー

  ↓

エッジ

  ↓

センター

  ↓

インナー(3角形の小さいやつ)

 

となります。

 

StarminxだけでなくFace Turn OctahedronやMaster Skewbなどの難解パズルもこの順番で解き進めていくのがほとんどだったりします。

 難解パズルはアウターなどを揃えた後にインナーを揃えることが多いです。

 

~コーナー~

実はコーナーはキロミンクスと全く同じです。

「キロミンクスってなんぞや」って人には「メガミンクスのコーナーだけ」と言えば分かりやすいでしょうか。

コーナーに関してはこれ以上言うことがありません。普通に揃えちゃってください。

パーツがちょっと小さい程度です。

(まさかとは思うけどメガミンクスを知らないor解けないって人がCurvy Starminxに挑戦しないよね?)

 

~エッジ~

これは変態パズルにありがちな R' L R L' とそれ系の組み合わせで出来ます。

EOにさえ気をつけておけば特に言うことは無いです。

強いて言うなら「D面から順番に揃えましょう」ってぐらいですね。

 

 補足

実はコーナーとエッジを合わせて考えると、Pyraminx Crystalと動きが一致します。

少々マイナーなパズルなので解説には使いませんでしたが、こういう気付きも変態パズルの醍醐味だと思ってます。

 

~センター~

これもあんまり言う事が無いです()

覚える手順を極限まで減らしたいなら、エッジの交換手順でやった R' L R L' を3回繰り返せばセンターの2点交換の2セットの手順になります。

極論これだけでセンターは揃えられます。

 

~インナー~

ここまでの説明が雑なのは、ここに解説の時間を割きたかったからです。

あと、「このパズルに挑戦するようなド変態たちはこの程度で苦戦しないだろう」という勝手な私の判断です。

 

ここからが本番と言わんばかりに楽しませてくれますよ。

 

すぐに手順を書いてしまうと、手順を見つける楽しさが皆さんに伝わらないと思うので、ヒントがてらに私が交換手順を見つけるまでに試行錯誤した過程を書いていきますね。

「そんなのいらねぇよ!さっさと手順教えろ!」って思ったせっかちなアニキたちは飛ばしてもらっても大丈夫です。

本当に飛ばしちゃって良いんですか?ここからが一番おもしろいところですよ?

 

~思考過程(という名のヒント)~

 まず、変態パズルで交換手順といえば?

そう、コミュテーターですね。

 

「コミュテーターって何?」って人に簡単に説明するなら、

(何かしらの手順A) (何かしらの手順B) (手順Aの逆手順) (手順Bの逆手順)

この一連の動きのことです。

エッジの解説にあった R' L R L' もコミュテーターの一つです。

コミュテーターはかなり奥が深いのでここで解説するとCurvy Starminxの解法どころじゃなくなるので割愛しますね。そもそも私が人に教えられるほど理解していないし、むしろ教えてほしい

これを踏まえた上で思考過程を書いていきます。

 

まず気づいたのが、

中層回しが使えるという点です。

変態パズルに対して中層回しの恩恵は非常に大きく、Face Turn Octahedronなどのパズルでも中層回しは重宝されてきました。

アウターへの影響が少なく、インナーを動かすことが出来るのが強みですね。

今回の場合、対面を同時に回すことで実質的な中層回しが出来ます。(以後、回転記号はMで表記)

 

このことから、先程のコミュテーターの話と組み合わせると、

 

(何かしらの手順A) M (手順Aの逆手順) M'

で交換手順が作れないかと考えました。

 

「じゃあ問題の手順Aは?」

もちろん闇雲に探すのは途方も無い時間がかかるので、ある程度『可能性のある動き』に絞って探す必要があります。

 

せっかくなので手順Aを見つけるまでの思考過程も書いておきましょう。

 

もし完成状態のまま残っているなら R' L という動きをしてみてください。

下の写真のようになると思います。

 

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ここで注目するのは手前面の青いパーツの塊、その中でも右上の一つだけのインナーパーツです。

この一つだけ飛び出た形をどうにか活かせないかと考えて色々試しました。(実際見つかるので頑張ってみてください)

 

ここまでの話をまとめると、

・何かしらの手順Aで上手いことインナーパーツを独立させる

・Mを使ってインナーパーツを引き剥がす

・最終的に (手順A) M (Aの逆手順) M' のような手順になる

 

これらを用いて私はインナーパーツの交換手順を探しました。

 

 

~インナー3点交換~

はい、皆さんは交換手順を見つけられましたか?

ここからは回答編となるので、まだ見たくない人はこれ以上スクロールしないようにしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先に答えから言うと、

手順Aは R2' L2 R2 となります。(このパズルでR2とR2'は別物なので注意)

 

意外と簡単で拍子抜けしましたか?最終的に回転記号で書くとこんな感じです。

R2' L2 R2 M R2' L2' R2 M'

※今回のMは、L面とその対面にある面の間の層にあたります

 

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↑こんな感じに移動します 

 

完成状態からの変化は分かりやすいですが、スクランブルされていると変化が分かりにくいので、手順の実行前の状態を写真で撮っておくと分かりやすくなります。

 

あとはこの手順を使ってインナーパーツを入れ替えていけば完成です♪

お疲れさまでした!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな甘い話じゃないんだよなぁ

 

はい…(´・ω・`)

やってみたら分かると思いますが、とんでもないセットアップ地獄です。

『セットアップ&逆セットアップのミスでコーナーからやり直し』は親の顔より見た気がします(もっと親のセットアップ見て)

 

私の場合は、「とにかく数をこなす!」でやりました。脳筋とか言わないで

脳死でセットアップ出来るようになるまでひたすらです。

 

 

まぁ、これを攻略方法として書いたら

「解説って言っておきながら肝心なところ説明しないじゃん!」とか

「他の人の方が説明上手そう」とか

ファミチキ食べたい」とか言われそうなので

私が実践したセットアップミス対策を挙げておきます

 

あっ、ちなみに私はLチキ派ですよ(聞いてない)

 

①動画を撮る

これめっちゃ重要です。

万が一手順を間違えたりセットアップに失敗したときのために動画を撮っておくことで失敗しても逆再生しながら戻すことが出来ます。

 

②セットアップを理屈でもちゃんと覚えておく

「なぜこの動きをしたのか」は常に考えておきましょう。

 

③過度なセットアップはしない

多くても4手以内にしましょう。

5手以上かかる場合は素直に諦めて他を探しましょう。

慣れてくると効率重視になって7~8手のセットアップも出来るようになりますよ

なんせ60個もインナーパーツがあるので1つぐらいは都合のいい場所にあったりします。

 

④全集中変態パズルの呼吸

冗談です。

ただ、集中出来るように外界からの余計な情報が入ってこないようにヘッドホンなんかをつけてると良いかもしれません。

パズル大好きな変態の人たちは手順実行中に話しかけられるとキレるので話しかけないようにしましょう(本人談)

 

 

こんな感じでしょうか?

まぁやってるうちに慣れるでしょう。(適当)

 

~補足~

今回、Curvy Starminxの解法ということでこの記事を書きましたが、もっと分かりやすい解説サイトがあります。(←おい)

こちらからどうぞ。リンクフリーと書かれていたので遠慮なく貼らせて頂きます

 

こちらはkemiさんが書いてくださったwikiになります。

このサイトの存在自体はCurvy Starminxに挑戦する前から知っていたのですが、先に見てしまったら面白くないということで今まで封印してきました。

 

私なんかと違って、ちゃんとエッジ、センターの解説もあります。

攻略後に見てあらビックリ、インナーの交換手順が同じでしたw

それどころか、kemiさんはパーツの移動が把握しやすいように向きまで調整した上に、更に汎用性の高い手順にしていました。「強い…(確信)」

初挑戦は自己流の手順だけで頑張りましたが、2回目以降はkemiさんの手順に乗り換えています。おかげでセットアップミスも格段に減り、彼女も出来ました。

 

あっ、彼女ってCurvy Starminxのことですよ?

 

kemiさんは今回のインナー交換手順で使ったコミュテーター理論も解説してくれているので、興味のある方は覗いてみてください。私も絶賛勉強中です。

 

~最後に(?)~

結局私がこの記事から伝えったかったことは、

「変態パズルは楽しい!」

この一言に尽きます。

 

別にCurvy Starminxの解説なんてどうでもいいわけですよ、Curvy Starminxはあくまでも例で、パズルを解くことの楽しさを知ってほしかっただけです。

 

初めてルービックキューブを手にした時、攻略書を見ながらやっとの思いで6面完成した時、嬉しかったですよね?(人によっては自力で攻略した人もいるかも知れませんがごく少数でしょう)っていうかこの記事を読んでる人は全員3×3が解ける前提で話が進んでる件

変態パズルはですね、その感動を何度も味わうことが出来るのです。

初めて触るパズルを自力で攻略するあの新鮮さ、解けたときの喜び、難易度が高ければなおさらですよ。

 

「じゃあ解いて遊んで終わりか?」って?そんなことはありません!

より効率的な手順・解法を探したり、模様を作って遊んだり、BLDしてみたり

と、解いた後の楽しみ方も人それぞれです。

 

Curvy Starminxに限らず、難解パズルとして名高いパズルはこの世にいっぱいあるので、皆さんも是非挑戦してみてください!

パズル沼へようこそ!

そして、良いキューブライフを!