Greg's Multi Cube

今回も気ままに好きなパズルの解法を書き残しておく備忘録記事です。

 

 


パズルの紹介とか

私みたいな非WCAパズルコレクターならご存知かと思いますが、あのGregさんがデザインしたパズルをYuXinが商品化したキューブです。

何と言ってもパズルのクオリティがとんでもなく高いです。

これだけ複雑なパズルでありながら回転は良好で、潤滑剤無しでもスルスル回ります。

パズルの耐久性能と複雑さは必ずしもトレードオフとはならないことを教えてくれます。そのくらい高品質です。

 

パズルの概要ですが、大半はMaster Skewbとほとんど同じです。

軸の向きも揃える必要があるMaster Skewbと言えばいいでしょうか。

3x3x3はセンターの向きも揃えると軸の向きも揃いますが、Skewbはコーナーの向きと軸の向きが対応していません。

本来は見えないので気にする必要が無かった軸の向きが、内部パーツとして視認できるようになったのがこのGreg's Maluti Cubeです。

一見すると内部パーツを揃えるのに3x3x3の知識が必要そうに見えますが、3x3x3とカットが異なるので実は使いません。

 


Solve

解法を記述するにあたって、回転記号を定義しておきましょう。

WCAスクランブルのSkewb回転記号は全てのコーナーに対応していないので新しく作りましょう。と言いたいところですが面倒なのでkemiさんの回転記号を流用させていただきます。

普段私がMaster Skewbを揃えるときは、

コーナー → エッジ → センター → インナー

の順番で揃えているのですが、今回は軸の向きを崩さないようにするためパーツを揃える順番が少し変わります。

 


1. 内部パーツ

まず最初に内部パーツを揃えます。前述の軸の向きを最初に合わせるのと同じです。

実は内部パーツの挙動はEight Petals Cubeと同じなので解法がそのまま使えます。*1

少し見にくいですが固定されてるコーナーの向きを合わせて、R' F R F' 等でエッジを入れ替えるだけです。

 

内部パーツが揃った段階で、外側のエッジも揃っているはずです。(インナーパーツと連動しているので)

 


2. センター

エッジの配色を確認しながらセンター(内部パーツを囲っているパーツ)を揃えます。

 

R L' R' LやR L R' L'等の3点交換を繰り返すだけです。

RとLで動く内部パーツがそれぞれ干渉しないので、内部パーツが崩れません。

それに対しRとFでは内部パーツが干渉するため、センター交換にR' F' R F等はNGです

 

ちょっとした小話①(読まなくても問題なし)

内部パーツが崩れる条件は、

  • エッジパーツが崩れていない
  • 手順の実行の前後で軸の回転量が変化していない(Rを回したらどこかでR'が必ず入っている等)

の2つなので端的に言えばエッジが崩れないコミュテーターになっていればOKです。

 

前者は単純にエッジパーツに隣接するインナーが連動しているためですね。

先程のR' F' R Fはエッジパーツが動くのでNGという訳です。

 

後者は各軸の回転量がインナーと連動しているためです。

コミュテーターの形をした手順は必ず逆手順もセットで回すため、自然と軸の向きも維持されます。

 


3. インナー

Master Skewbと同じ要領でインナー(細長い長方形のパーツ)を揃えていきます。

手順はkemiさんと同じです。

前述のインナーパーツが崩れる条件を満たさないので、Mastar Skewbの手順がそのまま流用できます。

 


4-1. コーナー(CP)

最後にコーナーを揃えて終わりです。

一度コーナーの位置を合わせて、その後向きを調整します。*2

 

位置(CP)が合っていないコーナー2組をFとBに来るように持ち替えます。*3

この状態から (R L' R' L) x 3 でコーナーが入れ替わります。最大でも2回この手順を使うだけでCPは揃います。詳しくは以下。

 

ちょっとした小話②(読まなくても問題なし)

(R L' R' L) x 3 は F↔B だけでなく l↔r の交換も行われる2c2cですが、FとBが合ってない時は必ずlとrも合っていません。そのため、CPの判断はFとBのコーナーだけ確認するだけで良いということになります。

詳しくはkemiさんのwiki「グループ」についてを覗いてみると理解が深まると思います。

普通のSkewbやMaster Skewbでは、同グループ内での3点 + 異グループCO が発生する可能性がありますが、Greg's Maluti Cubeでは最初に軸の向きを合わせたので異グループCOが発生しないため必ず2c2cとなります。*4*5

コーナーは8つで、一度の手順で4つのCPを合わせることができるので最大でも2回でCPが揃えられることになります。

 


4-2. コーナー(CO)

COを合わせていきます。

正直ここは脳筋コミュテーターなので良い手順知ってる人いたら教えてください。

 

F・BコーナーCO

((R L' R' L) x 3) F ((R L' R' L) x 3) F'

CP手順とFで干渉するパーツがFコーナーのみであることを利用しています。

FとF'を入れ替えることでCOの向きを調整することも可能です。

 

もしTAしたい人がいるなら

手順を拡張してもっと効率良くCO合わせも可能です。

((R L' R' L) x 3) F r ((R L' R' L) x 3) r' F'

インターチェンジに r を加えることで r・l コーナーのCOも同時に操作できます。

 

*1:おそらくRedi Cubeの方が認知度は高いと思いますが、Greg's Maluti CubeはYuXinから出てるので同社のキューブから紹介させていただきます。それにこちらのほうが磁石も入っていて高品質だったり

*2:慣れてきたらCPを合わせる段階でCOも合うようにするのがオススメです

*3:ここで言うFとBはSkewb回転記号に対応する頂点のことです

*4:キューブパズルにおけるパーツ交換の最小単位は 3点交換 or 2点交換x2 のどちらかになります

*5:そもそも2点交換が発生しない話はしなくても良いですよね…?