RouxとCFOPの中間を担う解法について考えるつもりだった

まえがき

こんにちは、@Pyraminx_tanocです。

 

今回の記事は、私としては珍しく(というか初めて)3x3x3のスピード解法についての話です。

sub10すらしてない弱小キューバーの戯言だと思ってください。

 

先に断っておきますが、この記事は実践的な解法としてではなく、「こういう事できたらロマンあるなぁ」みたいなノリと勢いで書いてます。

 

 

Rouxって良いよね…って話

突然なんですけど、Rouxって凄くないですか?

私が最初にRouxを知った時は、「あーそういう解法もあるのね」程度にしか考えていなかったのですが、詳しく調べてM列を上手く使いEOを解消することで持ち替えをしないと知った時は感動しましたよ。

え?しなかった?アッハイ…

 

前世でキューブの持ち替えに殺された私としてはF2Lの持ち替えやF面の回転は極力避けたかったので、Rouxは革命的な解法とも言えます。(早いとは言ってない)

 

ただ、そこで問題がありまして…

MU系手順苦手なんですよ…特にM2ダブルトリガー…

M2する時は左右の薬指で1回ずつ弾いて誤魔化していますが、その後のU面のダブルトリガーとかで指が足りなくなるのでRouxのLSEが絶望的に下手くそです。

 

Hパームとか皆さんにとってはラッキーかもしれませんが、ダブルトリガー苦手民にとってはアンラッキーなんですよ…

 

Roux練習するようになってから少しは改善しましたが、やはりぎこちないですね。

もうなんでRoux練習してるんだよとツッコまれても文句言えません。

 

 

じゃあM列回さなければ良いじゃん(?)

 

「何言ってんだよ!M列回してこそのRouxだろ!」と思い石を投げつけようと振りかぶってる皆さん、とりあえず落ち着いてください。一日千回感謝のTパームやるので許してください。

 

RouxってM列を全体的に多用するイメージですが、実際M列を使うのはEOとかLSEがメインでF2B(とCMLL)はRw等の2層回しでのM列回転が多いです。

 

つまり、

  1. F2BをRouxの自由度の高さを活かして作り、SBの最後のタイミングで上手いことDF・DBエッジも合わせる
  2. LLをCFOPと同じ要領で解く

こうすることでM列苦手な私でもRouxのうま味だけ楽しめるのでは?…と考えた訳です。

 

「これ先駆者いるだろうなぁ」って調べてみたら似た解法が一応ありました。

ZBRouxって言うのがあるらしいですね。

www.speedsolving.com

私との相違点として

  • F2Bを作った後にEOを合わせつつDF・DBエッジを合わせる
  • 十字OLLになるのでZBLLを使って揃える

といった解法らしいです。

SBを作りながらDF・DBを合わせる私の場合は全てのOLLが出る可能性がありますが、ZBRouxだとEOも合わせるので十字OLLしか出ないようです。その分、ZBLLを覚えていないとその良さが引き出せないみたいですね。

 

LLのステップを2段階にする分、EO手順が無いので上手いことやればどっこいどっこいな所まで持っていけるかもしれません。

 

手順とか

実際に使う手順云々の前に、パターン数が現実的な数なのかを確認しましょう。

まず、SBの最後に残りうるF2L(?)は、私の計算が間違っていなければ65種類あります。(AUFで同じ形にできるのは1パターンとして扱う場合)

更にDF・DBエッジにも今回は着目しているので(132パターン)、組み合わせは8580通りとなります。( 'ω')………は?(困惑)

 

あっやめて!だから石投げないでってば!

 

いいですか?落ち着いて聞いてください。

F2Lで65パターンと話しましたが、全てのF2Lは一度 I型かT型に帰着させてからスロットインするのがセオリーです。つまり、全パターンのF2Lで網羅しなくても、IT化した後だけに絞った手順だけでも良いんですよ。

とりあえず今は I型に絞って考えていこうと思います。

 

じゃあ I型F2Lに絞ったら何種類なんだよって話ですよね。

DF・DBエッジの配置が132通り、I型F2Lが2通りなので264通りですね。

やった!結構減ったね!!

 

………………いや、ZBLL覚えたほうが絶対有用でしょこれ…

だから石投げないでってば!

 

悔しいですがもう少し絞りましょうか…

DF・DBエッジの組み合わせが多いのが厄介なので、DBエッジはすでに正しい場所に入っているパターンのみ考えようと思います。

これなら20通りで済みます。一気に減りましたね。

 

ということで、かなり条件は絞りましたが手順表を作ってみましょう。

 

I2型F2L
DFエッジの位置 画像 手順 コメント
DF

U R U' R 普通にスロットイン
FD

M2 U R U' Rw' U M

Fに抵抗が無いなら

M' R' F R F' U M

RF

U2 Rw U2 R' U' M

 
FR

U R U M' U2 Rw'  
UF

M' U2 M R U2 R'

M' U2 Mでエッジを入れた後に普通にスロットインするだけ

FU

U M' U' M F' U' F

F使いたくない人は

U R U' R' U' M' U M

UL

U' F' U' F Rw U2 Rw'

F使いたくない人は

U R U' R' U' M' U2

LU

U2 Rw U2 R' U M

 

UB

U2 Rw U2 Rw' これ好き
BU

U R U' M' R' U M スロットインしたあとエッジを合わせるだけ
I1型F2L
DFエッジの位置 画像 手順 コメント
DF

F R' F' R 普通にスロットイン
FD

Rw U Rw' U' M' U2 M スロットインしたあとエッジを合わせるだけ
RF

Rw U Rw' これ好き
FR

U' M' F' U F U' M

F使いたくない人は

M' U' M' U R U R' U2 M2

UR

Rw U Rw' U M' U2 スロットインしたあとエッジを合わせるだけ
RU

Rw U R' U M スロットインしたあとエッジを合わせるだけ
UL

U' F U F2 U' F'

F使いたくない人は

Rw U Rw' U' M' U M

LU

Rw U R' U2 M  
UB

U2 F U2 F2 U2 F'

(y' 持ち替えでU2 R U2 R2 U2 R')

F使いたくない人は

M' R U M U2 M' U2 Rw'

BU

Rw U Rw' U' M' U' M スロットインしたあとエッジを合わせるだけ

 

実際に回してみた人なら分かると思いますが、I型F2Lに帰着したあと、M列を回してセンターの位置関係を合わせる必要があります。なんか余計な手間増えたな…

 

ちょっと待て……

えー皆さんが思ってることを代弁しましょう。

 

これただのFreeFOPじゃん!

 

そうなんですよ…パターンが多すぎるが故に状況を絞り過ぎたらBBとやってること同じになりました。

しかも、持ち替えしたくないのであればZZ methodとかいう上位互換がいます。しかもZZはOLLで十字OLLしか出ないというおまけ付き!もう私の出る幕ないです。

 

「じゃあこの記事は結局何の話だったんだよ!」ってなりますよね…

ですが、あの手順表は無駄だったかと聞かれると意外とそうでもなさそうです。

 

最初はRouxでの活用を目的として開拓しましたが結果的にFreeFOPとなってしまった以上はFreeFOPで活用しましょう。

 

私もF2Lのペアを維持するために何度かFreeFOPを即席で挑戦してみたことがあるのですが、蛇足な動きが多くなったりしてイマイチ使いこなせていませんでした。そこで、前述の手順表等の簡単なパターンはある程度暗記することでFreeFOPの敷居を下げられないかと考えています。

 

もしこれ実践でスッって使えたらめちゃくちゃ格好いいと思いません?

大会とかオフ会でこれの裏F2L版とかドヤ顔で使ってみたくないですか?

裏でも使えるようにRU系全般になるように手順厳選したんですよ!褒めてください!

 

使うかは分かりませんが、万が一クロスがミスっているのに途中で気付いた場合でも、これでリカバリーできるかもしれません…

 

そういうわけで、先程割愛したT型F2Lや他のパターンについても考えてみましょうか。

T1型F2L
DFエッジの位置 画像 手順 コメント
DF

R U R' U 普通にスロットイン
FD

U2 M' U M' F' U F M2 Fあるから好きじゃないし、Rw使っても良い手順が見つからない。カス。
RF

U M' U' R U Rw'

これ好き
FR

R U M' R' U2 M  
UR

R U2 R' U Rw U2 Rw'

 R U R' U M' U2 M

でも可

RU

R U M' R' U M

 

UF

 R U R' U' M' U2 M  
FU

 R U M' R' U' M

 

UL

R U' M' U2 Rw'  これ好き
LU

R U R' U M' U M  

 

T2型F2L
DFエッジの位置 画像 手順 コメント
DF

F' U' F U

(y持ち替えL' U' L Uでいいと思う)

普通にスロットイン
FD

U2 M' U' M U Rw U2 Rw'

Fに抵抗が無いなら

M2 F' U' F M U' M

RF

U R U2 M' U R' U2 M

Fに抵抗が無いなら

F' U' F U M' U2 M

FR

M' F' U' F U M Fあるから好きじゃないし、Rw使っても良い手順が見つからない。カス。
UR

M2 F' U' F M2

U D2 M U M' D2 Rw F2 Rw'

とかあるけど長いからオススメはしない

RU

M' U M R U' R'

M' U MでDBエッジを入れつつ、I型に帰着

UF

F' U' F M' U2 M  
FU

U R U2 M' U Rw'

U' M' U2 R U' Rw'

とか
U' M' U' R U2 Rw'

でも可

UB

M F2 M' F U' F  
BU

U' M' U' M R U2 R'

Fに抵抗が無いなら

F' U' F M' U' M

 

DFRコーナーとDFエッジがペアになってるとき

RFエッジの位置で場合分けします

RFエッジの位置 画像 手順 コメント
DF

 U Rw U' Rw'  これ好き
FD

 U' M' U M F' U' F  
RF

U' Rw U' R' U2 R U' Rw'

長い
FR

 U2 R U M' U Rw'  
UR

U M' U2 M U2 Rw U' Rw'

長い

RU

U M' U' M F' U' F

 I2型FUと同じ

UL

U R U2 M' U Rw'

T2型FUと同じ

LU

U' R U M' U R' U' R U2 Rw'

長い

UB

 F2 M' U M U' F U' F

F使いたくない人は 

U' R U' M' R' U' R U2 Rw'

とかあるけど長い

BU

M' U' M U' Rw U2 Rw'  

 

DFエッジの位置 画像 手順 コメント
DF

U' F U2 F' U2 F' 多分持ち替えた方が良い 
FD

U2 Rw2 U2 R' U' R U' Rw2 長い
RF

Rw2 U R2 U R2 U2 Rw2

 
FR

 U Rw U2 Rw' F' U' F

U Rw U2 Rw' y L' U' L

持ち替え挟んだ方が回しやすいかも

UF

y U L U L2 U' L2 U' L

本当は持ち替えしたくなかった。良い手順あったら教えてください。

FU

M' F' L' U2 Rw U M x'

意地でもF使いたくない人向け

U R U L' U' L U' M' Rw' U2

 

UL

 U' F' U2 F L F L'

 

LU

L U F' U' F' L'

意地でもF使いたくない人向け第二弾

U2 R U R' U2 M' R U2 Rw'

UB

U2 F' U' F Rw U Rw'

U M' U R U R' U M R U' R'

一応置いとくけど、長いから使わなそう。

BU

U R U2 R' U2 Rw U2 Rw' 長い

「これ間違ってない?」とか「この手順もっと良いのがあるよ!」等の訂正は随時募集中です。ご意見お待ちしております。

 

 

こうやって並べてみると実用性ありそうな気がしてきませんか?

私の先読み力では、これらの手順の良さを最大限に引き出せそうにないので、この手順表が実用的かどうかの判断は私なんかより断然早いキューバーの方々に委ねます。

 

さいごに

あくまでもこの手順表は、FreeFOPのLLとの繋がりをスムーズにする手順なので、FreeFOPの醍醐味である『自由度の高いBB』については触れていません。

FreeFOPを極めたい場合は、こういった中継ぎの手順を覚えるのではなく、まず最初にBBの練習をするべきだと思っています。この手順表は、『OLL覚えた人が、PLLとの繋がりをスムーズにするためにCP読みを練習する』のと同じで、前段階のステップがある程度できていないと、その真価が発揮できないのではないかと考えています。

結果的にCFOPやRouxのコスパに勝ることは無いかと思いますが、上級者の方でこれらの手順を有効活用してくれる方がいたら嬉しい限りです。

 

追記

この記事はアドカレに投稿しようかと考えていたのですが、Twitterで他の方の意見を伺ったところ、うえしゅうさんから早く読みたいとの意見を頂いたので爆速で書き上げました。

あのうえしゅうさんから直々に読みたいと言われてしまった以上は恥ずかしい記事は出せないと改めて感じたので、当初はI型F2L(20パターン)の手順表しかなかったのですが結構な数を追加してたりします。